サブドメインも外部攻撃面の一部
外部攻撃面には、代表ドメインだけでなく、
その配下のサブドメイン(FQDN)も含まれます。
www.example.co.jp や mail.example.co.jp のほか、
過去のプロジェクトで作った stg.example.co.jp や
api.example.co.jp も、DNS で公開されていれば第三者が名前を知る手段があります。
社内では「本番以外は忘れがち」「担当者が退職した」という理由で説明が途切れやすい一方、 インターネット上では生きている URL・応答するサービスとして残り続けます。
よく問題になるパターン
- 非本番・検証環境 —
stg/dev/uat/testなどの命名。認証が緩い・データが本番に近いことがある - API・管理系 —
api/admin/auth等。意図せず HTTPS で公開された管理画面 - 古い DNS レコード — サーバーは消したが CNAME / A レコードだけ残る、別サービスに向いてしまう
- 証明書ログにだけ残る名前 — 過去に TLS 証明書を発行した FQDN が crt.sh 等に残り、存在を示唆される(TLS 整理とも関連)
- 委譲サブドメイン — ベンダー SaaS 向けに切ったホストの更新停止
サンプル報告書(架空)では、公開情報から 9 件の FQDN を確認し(F-04)、
api.example.co.jp を非本番・API 系の優先棚卸し候補として挙げ、
crt.sh 由来の名前が代表ドメイン用証明書の SAN に含まれないケース(F-17・F-18)も示しています。
体裁の参考は報告書サンプルをご覧ください。
なぜ「社内では使っていない」のに危ないか
社内担当者がブックマークしていなくても、攻撃者やボットは 辞書的なサブドメイン名の列挙や 公開インデックス(証明書ログ等)からホスト名を集めます。 応答が返れば、本番より緩い設定の環境がそのまま入口になりうる、という点が分かりやすい典型です。
典型例は次のとおりです。
- 検証環境にデフォルト認証や古い OSSが残っている
- 本番と同じ SSOにつながっており、検証側の弱点が認証経路に波及する
- 削除忘れの管理コンソールが HTTPS で到達可能(サンプル F-01 系の高リスク所見)
「本番サイトは安全」だけでは説明が足りず、 サブドメイン全体の地図があると優先順位を話しやすくなります。
外部攻撃面レビューで「見る」こと(例)
| 観点 | 確認する内容(例) |
|---|---|
| 列挙 | 公開 DNS・crt.sh 等から得られる FQDN 一覧(契約スコープ内) |
| 生存確認 | HTTP / HTTPS 応答の有無、リダイレクト、タイトル・サーバヘッダの手がかり |
| 命名ルール | stg / dev / test 等のパターンに該当するホスト |
| 優先度 | 管理系・非本番・高リスク応答の有無を踏まえた棚卸し候補の整理 |
目的は「全部潰せ」ではなく、 第三者から見えている名前と、先に説明・確認すべき入口を 報告書にまとめることです。 全ポートスキャンやログイン突破は別契約・別スコープであることが多いです。
棚卸しの進め方(御社側の作業イメージ)
DNS レコードの削除やサーバー停止は、通常御社・インフラベンダーの作業です。 レビュー結果をもとに、次のような台帳づくりを進める組織が多いです。
- 一覧化 — 報告書の FQDN リストを起点に、用途・担当・本番/非本番を記入
- 要否判断 — まだ必要か、VPN 内に移せるか、DNS 削除で足りるか
- ルール化 — 新規サブドメイン発行時の承認・命名規則・定期見直し(年次など)
- 再確認 — 次回の攻撃面レビューで「消えたか」「新しく増えていないか」を比較
サンプル報告書の推奨アクションにも、 「サブドメイン棚卸しを年次で実施し、不要な DNS レコードを削除する」とあります。
含まないこと(よくある誤解)
- DNS レコードの変更・削除の代行
- 社内 LAN・社員 PC・クラウド管理画面へのログイン調査
- 無許可の第三者ドメインへのスキャン
- 認証突破・データ窃取までの侵入実証(ペンテストは別契約)
調査データは閉域環境内で扱います
調査結果の記録は当社事業所内の閉域環境でのみ保管・処理します。 公開 DNS や Web への問い合わせは発生しますが、 御社データを当社クラウドや第三者 SaaS に載せる運用は行いません。 報告書は基本メールで納品し、調査画面のログインはお渡ししません。
関連する読み物
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